認知症と口腔ケア
投稿日:2022年9月23日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。
歯科衛生士の佐藤です。
認知症の進行を予防するのに、お口の中のケアがとても大事だとご存じでしょうか?
高齢化社会の日本では、認知症の前段階である「軽度認知障害」の方を含めると4人に1人が認知症または軽度認知障害であると言われています。
認知症は身近な存在です。
しかし、根本的な治療方法や根治できる治療薬はまだありません。
症状を悪い状態にしないようにすることが大切なのです。
65歳以上の健常者で、歯がほとんど無く入れ歯を使用していない人、あまり噛めない人、かかりつけ歯科医院のない人は、その後認知症を発症するリスクが高くなるというデータがあります。
特に、ほとんど歯がなく入れ歯を使用していない人は、20本歯が残っている人に比べて1.9倍、認知症発症リスクが高いそうです。
他のデータでも、認知症や軽度認知障害の人の歯の本数の平均は17.5だったのに対し、健常者の人の歯の本数は20.7本と、差があったそうです。
歯が健康な人ほど認知症になりにくいと言えるでしょう。
日頃からの食事をきちんと摂り、よく咀嚼して、食べ物を味わって、美味しいと感じられる生活を送ることがとても大切です。
噛むことで、三叉神経から大脳皮質が刺激されて、脳が活性化されます。
また、脳の記憶を司る海馬の神経細胞が増えることも研究からわかっています。
口腔内が不衛生な状態は、歯周病や誤嚥性肺炎などの感染症も起こりやすく、全身の疾患にもつながります。
歯周病菌は、アルツハイマー型認知症と深く関わっています。
アルツハイマー型認知症の人の脳内から歯周病菌が検出されたそうです。
血液によって脳内に取り込まれることが実験でも確認されているそうです。
歯を健康に保つことは、認知症の予防や進行を遅らせることにつながります。
認知症になってしまってからの歯科医院への通院は難しいことがあります。
通院可能なうちから、早めにお口の中の機能を改善して、口腔ケアを維持していくことが大切ですね。
スタッフ一同、皆さまのお口の健康維持のお手伝いを致します。
ご来院お待ちしております。
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