妊娠期の食事とお口の健康
投稿日:2022年3月25日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは、管理栄養士の高瀬です😃
今回は妊娠中の食生活とお口の健康についてお話していきます。
妊娠すると体調がいろいろと変化していきますが、女性ホルモンの変化により、歯周病にもかかりやすくなってしまいます。
理由としては、つわりで食生活が不規則になったり、歯みがきが不十分になったりする他、歯周病菌が女性ホルモンであるエストロゲンをエサにして増えてしまうことが原因としてあげられます。
妊娠中の方が歯周病にかかっていると、早産や低体重児出産のリスクが高くなります。
これは、お口の中の歯周病菌が血液中に入り込み、子宮の収縮を促しているためだと考えられているからです。
また、歯周病菌の出す毒素が歯周ポケットから血液中に入り込むことで、炎症物質を増やすことも関係していると考えられています。
つわりがひどいと十分な歯磨きができないことがあるので、体調の良い時間帯に歯を磨いたり、洗口液を使ってお口をすすいだり、いろいろ工夫してお口の中を清潔に保てると良いですね✨
また、食べつわりで間食の回数が増えてしまうときも、砂糖が少ないものを選んだり、キシリトールのガムやタブレットに置き換えてみてください。
次に、妊娠中の食生活についてお話しします。
妊娠初期はつわりの程度によっては全く食べられないこともありますが、重要なのは食事の量よりも栄養バランスです。食べられる物、食べやすい物を食べられる時に食べて、ストレスのない食事をすることが大切です。
また、脱水症状にならないように水分補給を忘れずにしましょう。
妊娠中に積極的にとりたい食品は主に葉酸や鉄分の多い食品となります。
葉酸は妊娠初期にたくさんとることによって赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低くすることができます。また、赤血球の形成補助や赤ちゃんの成長に必要な栄養素となり、ほうれん草、ブロッコリー、納豆、卵などに多く含まれています。🥦🥚
鉄分はヘモグロビンを作る栄養素です。胎盤を通して赤ちゃんにも鉄分が送られるため必要量が増え、不足すると貧血になりやすくなってしまいます。
鉄分は動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄の2つがあり、ヘム鉄は赤身の肉や、あさり、カツオ、卵などに多く、非ヘム鉄はひじき、豆腐、ほうれん草、プルーンなどに多く含まれています。🥩🍳🥬
また、非ヘム鉄の吸収率を上げるためにビタミンCの多い食品もとるようにしましょう。
逆に妊娠中は過剰摂取に気をつける食品や控えた方がよい嗜好品もあります。
ビタミンAはうなぎ、レバー、にんじん、モロヘイヤなどに多く含まれており、皮膚や粘膜の健康を保つのに必要な栄養素です。しかし、妊娠初期に過剰摂取することで胎児奇形をまねきます。
普段の食事でビタミンAの過剰摂取の心配はほぼないとされていますが、マルチビタミンなどのサプリメントの摂取で過剰摂取となってしまうことがあります。
また、うなぎやレバーなどの動物性食品は、植物性食品よりもビタミンAを含む量が多いので、にんじんやモロヘイヤなどの緑黄色野菜からビタミンAをとるようにしましょう。🥕🍊🥬
妊娠中は食中毒にも気をつけなければなりません。特にリステリア菌は妊娠していない人よりも感染しやすく、胎盤を通して赤ちゃんに感染することもあります。
生ハム、スモークサーモン、ナチュラルチーズなどの食品は注意しましょう。
嗜好品にも妊娠中はやめた方がいいものと過剰な摂取に気をつけるものがあります。
妊娠中やめた方がいいものはお酒です。🍺🍷🍶
飲酒は流産のリスクが高まる他に、赤ちゃんの催奇形作用と異常をひきおこし、また、胎児性アルコール症候群となってしまうリスクがあるので、妊娠中はアルコールを摂取しないことが望ましいでしょう。
過剰摂取に気をつけたいものはカフェインが含まれるものです。☕️🍵
カフェインの過剰摂取により低体重の赤ちゃんが生まれたり、妊娠初期の自然流産のリスクが高くなると言われています。
カフェインの摂取量は1日あたり200mg(コーヒーなら2杯分)程度にとどめて、多量の摂取は控えましょう。
妊娠中に積極的にとりたいもの、控えた方がいいもの、量に注意するものをお話ししましたが、妊娠初期はつわりもあり、思うように食事ができないこともあるかと思います。つわりがある時期は無理せず食べたい物を食べたい時にとるようにしましょう🌟
また、妊娠中期以降では、つわりが落ち着いて食欲が出てきて、つい食べ過ぎてしまうことがあると思います。特に加工食品やインスタント食品、間食の取り過ぎは妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクがあるので、食事の量や塩分量に気をつけましょう😊
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